木製バットの原材料って何が違うの?

皆様こんにちは、店長の桑迫です。

ご閲覧いただき誠にありがとうございます。

今回は原材料の違いについて解説しようと思います。アオダモ、メープル、アッシュや最近ではバーチといった材質も人気が出始めていますね。それぞれ特徴があり、人によって合う、合わないが出てきますので、この記事が皆様の木製バットの選び方の参考になれば幸いです。基本的にアマチュアや独立リーグの方を前提とした記事となります。

1.メープル(カエデ)

メープルシロップでも知られるこのメープルは、現在日本の木製バットでは最もポピュラーな素材です。弊社での販売割合も半分以上をこのメープルが占めています。

メープルの特徴は何といってもその耐久性、昔から高級家具などに重用されていたことからもわかるように、非常に硬く、耐久性が高いという特徴を持ちます。硬いがゆえに加工が難しいとも言われていますが、現在の切削加工技術は発展しており、このデメリットも今ではさほど問題とはなりません。

重量に対する耐久力の効率が良く、比較的軽量で高耐久のバットを作ることが可能の為、近年の木製バットはメープルの人気が非常に高いです。
打感も弾きが良いと言われることの多い材質です。

非常に硬い為、しなりは他の材質に比べて感じにくいかもしれませんが、そこは個人の好みの問題ですので、人気と言えども「自分には合わないな」と感じたのであれば、他の材質を試してみるのも良いと思います。

神岡で使用しているメープルは全てメープルシロップで有名なカナダが原産の物を使用しております。寒い地帯で育ったメープルは非常に密度が高く、他地域のメープルに比べ高品質な物ですので、より良いバットを皆様にお届けすることが出来ます。

他の材質と比べて、重量、耐久性、反発力どれもバランスよく纏まっているのがメープルという材質になります、木製バットを試す場所や時間が無く、迷っているのなら一先ずメープル、というのも悪くない選択肢でしょう。
(神岡では試打してから買うことが出来るので、材質の違いも理解した上でご購入いただけます。お近くの方はご購入の前に是非ご来店ください😊)

2.バーチ(カバ)

バーチは近年注目されるようになってきた材質のひとつです。後述するアッシュとメープルの中間のような特性を持っています。

北アメリカ大陸原産の物がイエローバーチ、ヨーロッパ原産の物がヨーロピアンバーチと呼ばれていますが、神岡で使用しているのはメープルと同じくカナダ、つまり北米原産ですのでイエローバーチに該当します。ただ呼び名が違うだけで木の種類は同じであり、BFJのレギュレーション上どちらも同じくバーチとして製造されています。

日本で有名になったきっかけは大谷翔平選手がバーチを使用し始めたことからでしょうか。

メープルよりも柔軟性があり、しなりを感じつつもしっかりとした弾きがあるので、メープルのしっかりとした硬さが合わず、かといってアッシュの使用は避けたいという方にオススメの材質です。

日本の軟式ボールにはメープルよりもバーチの方が合うといわれており、軟式野球をしている方にもオススメの材質となっております。

3.アッシュ(トネリコ)

アッシュは一般的にホワイトアッシュと呼ばれるもので、メープル、バーチに比べて柔らかみがあり、スイング時にしなりを感じやすい材質です。
特にイチロー選手や松井秀喜選手らがメジャーで使用していたことや、アオダモの代替素材としても注目された関係で日本でも知名度のある素材かと思います。

神岡で使用しているアッシュは北米原産で、柔らかみがありながらも反発力は申し分なく、柔軟性がある為折れにくい素材となっております。

上記の通りであれば万能といった感じですが・・・

何故かというと、折れにくさとは別の観点で見た時の耐久性が非常に低いからです。
何を言っているのか?と思われるかもしれませんが、アッシュというバットはバッティングで強い衝撃を与えた時、年輪に沿って剝がれやすいというデメリットが存在しています。
折れにくさはあっても、剥がれるように割れてしまうため、練習から用いるには非常にコストのかかる材質となってしまいます。練習で用いた時には最悪その日のうちに剥がれ始めてしまう可能性もありますので、積極的な使用は難しいかもしれません。
NPBで活躍する選手でも、アッシュは試合用、練習では別の材質を使うという方もいるとのことです。
それでもバットとして考えた時、非常に優秀な素材に違いはありませんので、試合用としてお買い求めいただくのは良い選択肢ではないかと思います。

神岡でもアッシュモデルをご用意しておりますので、気になる方は是非お試しください。

まとめ

今回は主流の三種類の材質について解説を行いました、また今度、アオダモやビーチ、神岡独自素材のMIX MAPLEについても解説をさせて頂ければと思います。

私個人の考えとしましては、バットもグローブなどと同じ手に取って使用する道具ですので、人によって合う合わないが出るのは仕方ないことだと思います。
だからこそ、初めてバットを使用するときはなるべく試打や素振りをした上でご購入いただくのが良いのではないかなと思います。
勿論気軽に試打や素振りを出来る場所も少ないので、お近くにそのような店舗や施設が無いのであれば主流モデルや、好きな選手のモデルを使用するのも良いと思います。

神岡バット製作所、室内練習場では神岡のバットを試打した上で、自分に合うものをお選びいただけます、初めての木製バットの方も、ずっと使ってきたモデルを新しいものに変えたいという方も、是非一度お越しいただければ幸いです。
(予約などは必要ありません、直接お越しいただいて大丈夫です。)

何か質問などございましたら、問い合わせフォームからご連絡ください、個別のご質問にもお答えいたします。